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ごあいさつ

代表取締役社長 中野 敏光

2024年3月期は、計画通りの増収、減益の結果に終わりました。売上、営業利益ともに未達ではありましたが、ほぼ計画通りの結果でした。売上の未達の要因には、派遣社員の報酬はアップしたものの、新たな派遣社員の獲得には大きな影響を持つことができず、結果として稼働人数の増加につなげることができなかったことがあります。そのため、2024年4月にはさらに大幅な報酬アップを行い、一番高い報酬を支払える派遣会社を目指して取り組んでいます。そのため、一時的に、利益額を落とし、利益率を落とすことになりますが、今年度の投資が来年度に向けての成長のステップとなるよう様々な取組みを行ってまいります。

私は、事業を始めたときから、営業利益率が10%以上の会社になることを一つの目標としてきました。それは健全な経営をしている会社として認められる要素だと考えているからです。企業として見られるときには経常利益率が評価の対象ですが、事業としては営業利益率が評価されるのではないかと考えています。
これまでは、毎年、売上額も利益額も成長し続けることを目標に取り組んできましたが、一昨年から利益を落とし、派遣社員の待遇改善に取り組みました。今年度もさらに大きな報酬アップを行ったため減益の計画です。2年前、当社は同業他社に先駆けて報酬アップを行いましたが、昨今の世の中の一般の会社の報酬アップの影響も受け、当社の投資が大きな効果を発揮しませんでした。そのため、今期もさらなる報酬アップを検討し、一時的な利益の減少があっても事業の拡大が重要と考え、減益計画とすることを決めました。

健全な経営といわれる指標は死守する、すなわち、営業利益率を10%出し、配当性向を40%以上にし、株主に対する減配をしない状態を維持しながら、派遣社員への報酬アップ、従業員への報酬アップに取り組み、人材業界の中で唯一無二の会社を目指していくことを考えています。この方針の下で行ってきた派遣社員への報酬アップは、当社の成長ドライブの一つになると確信しています。しかしながら、今年度は、減益計画になりますので、配当性向を40%にはしていますが、減配になる計画です。必要とされる情報は開示しながら、着実に中長期計画に向けて取り組んでいきます。
株主の皆様のご理解の下、お客様と派遣社員と当社の3者の利害を一致させるために、これまで以上の施策を検討し実施していきます。3者の利害が一致し続ける状態を作り、他の人材サービス会社とは構えの違う会社を目指し、利害関係者に対しての責任を果たしながら、会社の質的転換を行い続けます。

前述の3者の利害を一致させるために、これまで以上に施策を検討し実施していきます。中長期経営計画は見直しをしました。大きな増収計画は立てていませんし一時的な減益計画にしています。ここ2年は、将来への投資の期間として考えています。派遣社員の待遇を改善し、どの派遣会社よりも一番高い報酬を支払うことのできる派遣会社になり、優秀な派遣スタッフが働き続ける派遣会社になる。そのための投資の期間としてここ数年を見做しています。その体制を整えることができてから事務職市場へも取り組んでいきます。これまでお伝えしてきたことを決して諦めたわけではなく、環境の変化に応じて施策の精度を高め、取組みの順番を再検討しているのです。

現在、理学系研究職市場においては、3人に1人(厚生労働省データ、当社調べ等により推計)が当社グループからの派遣社員という占有率を維持することができていますが、市場の半分以上を占めることは、理屈の上では困難です。お客様と派遣社員の利便性を追求すべく開発を行ってきた人材派遣サービスのプラットフォームをリリースして以降、社内業務の一層の効率化に取り組み、お客様と派遣社員のさらなる満足の向上と利便性を追求してきました。これを基盤に、お客様・派遣社員と強固な関係性を築き、現状をゆるぎないものにして、新たなプラットフォームを展開することで事務職市場にも進出していきます。

また、第四次産業革命の最中にあるといわれている事業環境の中、AIの活用を無視して経営は行っていけません。産業構造の変化から考えると、「仲介サービス」である人材派遣事業そのもののあり方も考えていくべきときが来ているとも考えられます。我々の事業は何かと考えたときに、課題を解決するために仕組みを構想し、それを実現するためのプラットフォームを構築し、利便性の高いサービスとして提供していくことと定義したいと思います。

組織体制として、グループ内でプラットフォーム開発をネゾット株式会社が行い、そのプラットフォームを用いて、人材サービス事業会社、CRO事業会社等が事業を運営していくというグループ内での役割を明確にし、事業を推進していきます。当面は、人材サービス事業会社、CRO事業会社という表現をしていきますが、自らの形を変えても、お客様にとって利便性の高いサービスを提供していく会社であり続けたいと考えています。

今年度も、投資対効果のバランス・挑戦と堅実な対処とのバランスが従来にも増して求められることを認識し、果敢に挑戦をしながら着実に事業を行っていく所存でございますので、これからも一層のご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2024年5月

代表取締役社長

中野 敏光